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取材記 
撮影技法 「予測する」


前回アップした「京都百景Vol.60 東寺を翔ける」をご覧になった数人の方から飛翔の一瞬をとらえるのはどうすればいいのか、という質問をいただきました。

とっさの時に反応する反射神経が大切なことは当然ですがもう一つ重要なことがあります。それはどこかで鳥の飛翔を見たら目の前に飛んできた時にシャッターを押せばいいだけの態勢を整えていなければなりません。たとえばズームレンズをワイド(広角)にすれば一羽でも多く写せるし、シャッタースピードを高速に設定していないと鳥がブレてしまいます。
要するに相手が目の前に来てからでは遅いのです。こうなるであろう、という「予測」が必要なのです。

下の写真は以前に文化庁からアメリカへ派遣された時に西海岸で飛翔を撮影した一枚です。

鳥は群舞することが多いので位置を予測して待っていたらこのような晴れ姿を見せてくれたのです。この時は連写できるカメラではなかったのですが、「連写」に設定しておけばこの姿を何枚も撮影できるのでさらにカッコいい写真が写せたことでしょう。

ちなみにこの写真はB0サイズの額入り大型プリントで、立命館大学東京キャンパスに展示中です。現物をご覧いただければ幸いです。https://www.ritsumei.ac.jp/tokyocampus/about/

先日花街で教室実習中に、街角から現れた舞妓さんを撮影できなかった人たちが「残念!」と嘆いていました。これも同じことで花街で舞妓さんを写すのならいつでもシャッターを切れるように予測の術で対処して下さい。
ただし、正面からお顔を写すとマナー違反ですのでカメラに気付かれないようにして真横か、後ろ姿をねらった方が良い結果になります。念のため。